クオリティを高めるための取り組み

StudioBRAINの今井です。私は普段からWEBディレクターとクリエイターの両方の立場でいろんな人と仕事をしていますが、最近のように仕事が忙しくなると、ついスケジュール管理がおろそかになるので、改めて自分に向けて書きたい。

制作期間は納期ではない

クリエイティブな仕事で、クオリティを上げたいと思ったら、まずはじっくり取り組める制作期間を設定するだろう。しかし、クリエイターはその制作期間を“納期”と捉えてしまうと、それに間に合うようぎりぎりになって作業を開始することもあるので、それではせっかくクオリティを上げるために設定したはずの余裕のある制作期間が台無しになってしまう。そればかりか、着手後に説明を受けてから、何もしない期間が生まれることで、返ってクオリティを下げてしまう。だからこの“納期”という言葉はあまり使うべきではない。

重要なのは依頼を返すというキャッチボール

それが制作依頼である以上、依頼者と受注者という関係になっているはずだが、我々のような受注者の立場にとって、クオリティを上げるために重要なことは、まず与えられた十分な制作期間はそのことに集中すること、そして制作期間を守って依頼された成果物を返すことだ。それによってクリエイターは、この依頼からしばし解放されて頭の中をリフレッシュでき、依頼者にもブラッシュアップを検討する時間が生まる。それによって、またお互いに新しいアイディアも生まれてくることだろう。この依頼と成果物をやり取りすることが、成果物の質を格段に高くしてくれるはずだ。もちろんこれが仕事である以上、ある程度完成したら、いつまでのずるずると続けるのではなく、けじめを付けることを忘れてはいけない。

そのためには、どうすればいいか

まずはひとつの案件を効率的で必要最小限のフェーズに区切ってはどうだろう。この1回のフェーズだけなら、依頼された内容をできるだけ早いタイミングで返すことができる。重要なのは、適切に区切られたフェーズのあと十分な期間を空けること。それによって、双方にとって必要な時間が生まれるだろう。もし複数案件を並行させたいなら、この1回あたりのフェーズの後に他案件のフェーズの間に入れ込むことだってできる。
偉そうに言っても、これは、たぶん誰でも当たり前の事で、冷静に考えれば自然とそうしたスケジュールを組んでいるはずである。しかし忙しくなってくるとつい忘れがちで、同時に複数案件を抱えてながら納期を意識するあまりに、ストレスを感じることになる。もしまだスケジュールが立てられない未解決の要因がある案件なら、まだ依頼はするべきではないし、依頼されても着手はしないように注意したい。

クオリティを高めるには、まず良好な関係から

クリエイティブな仕事でスケジュールを考える立場にいながら、これらの取り組みについてまだあまり考えていないようなら、まだまだクオリティは上がるかもしれない。
必要なのは十分な制作期間であって納期ではない。納期ばかりに捉われると関係が崩れる原因ともなりかねない。
依頼者と受注者(クリエイター)にとって良好な関係は、お互いが100%の力で取り組めること意味するのだ。